いつ読むか?

  • 思考プロセスのツールの適切な使い方を思い出したいとき
  • 「十分原因」の思考パターンを正しく使いたいとき
  • 「必要条件」の思考パターンを正しく使いたいとき

読書メモ

TOC 思考プロセスの原理とツール

思考プロセスの「基本的な質問」「ツール」「原理」の対応。

基本的な質問ツール原理
何を変えるのか?現状問題構造ツリー十分原因
〃雲必要条件
何に変えるのか?〃〃
〃未来問題構造ツリー十分原因
〃前提条件ツリー必要条件
どのように変化を起こすのか?〃〃
〃移行ツリー十分原因

十分原因と十分原因をつなげるところに必要条件が挟まっている。 厳密に検証が必要な仮説を立てるときは「十分原因」を使う。 目標達成のための行動 (解決策) を決めるときには「必要条件」を使う。

思考プロセスのツール間のつながりと使用順序。

  1. 現状問題構造ツリー
    • UDE (好ましくない結果) を洗い出す
    • ツリーを作成し、UDE と問題の関係を把握する
    • コアの問題を見つける
  2. 雲
    • コアの問題に関するコンフリクトを解消する「代替策」 (方針) を考える
    • 相手と目的を共有する
    • 最初の「目標」を選択する
  3. 未来問題構造ツリー
    • 方針の「代替策」を一番下、最初の「目標」を一番上に設定する
    • 現状問題構造ツリーのそれぞれの問題に解決策 (代替策) を注入して問題を解消する
    • すべての問題を解消することで「目標」を達成できることをシミュレートする
  4. 前提条件ツリー
    • 中間目標を定める
    • 中間目標を達成するための必要条件を考える
    • 必要条件の適切な代替策を探し、選択する
  5. 移行ツリー
    • 現状に対し起こす行動 (インジェクション) を決める
    • インジェクションの「結果」が次のステップの現状 (状態) になる
    • それを繰り返して目標にたどり着くまでを予測する

参考ページ:

  • 7: ツールのカタログ
  • 272: 一般的なツールの使用順序
  • 278: 思考プロセスの質問とツール
  • 281: 思考プロセスのツールを使うプロセス (順序)

制約の種類と関係

制約には、物理的制約、方針の制約、パラダイムの制約がある。 方針やパラダイム (物事の見方や価値観、常識) が物理的制約を決める。 パラダイムが方針の制約を決める。 制約は、パラダイムの制約 → 方針の制約 → 物理的制約 に影響を与える。

参考ページ:

  • 25: 物理的制約
  • 28: TOC 継続的改善の5段階ステップの解説
  • 29: 物理的制約、方針の制約、パラダイムの制約それぞれの作用を示す具体例

システムの成功を測る尺度

会社というシステムを考えた時の一般的な尺度:

  • スループット
  • インベントリ
  • 業務費用

ソフトウェア開発というシステムに当てはめると…

  • スループット => スループット (例. ベロシティ、一定期間のスパンでリリースする価値の量と大きさ)
  • インベントリ => 前工程の成果物、学習コスト
  • 業務費用 => メンバーの給料くらい?それほど種類はなさそう

それ以外の尺度が適切な可能性もある。 例えば、Four Keys (DORAメトリクス) など。

改善努力を始めるには、尺度についてオープンに話し合うところから始めるべきである。

参考ページ:

  • 3: 「システム」と思考プロセスによる成功
  • 23–24: スループット、インベントリ、業務費用の解説
  • 38: 会社というシステムを考えた時の例

論理ツリーの図の要素の解説

  • エントリーポイント: 矢印が入ってこないエンティティ
    • 現状のシステムの中に存在するエンティティ (表現方法の例. 角が丸い四角形)
    • まだ存在しないエンティティ (表現方法の例. 角が四角い四角形)
      • = インジェクション

参考ページ: 54

十分原因

十分原因は、結果—原因—結果の思考パターンのこと。 これを図示したものが、論理ツリーとも呼ばれる図の一種となる。

思考プロセスでは、利用シーンに応じて十分原因を採用した次のツールを定義している。

  • 現状問題構造ツリー
  • 未来問題構造ツリー
  • 移行ツリー

それ以外にも十分原因を自由に使って思考することができる。

参考ページ: 44

賛成留保

意見が合致する度合いが極めて低いか、または高いときには厳密に問い直す。

  • 「集団思考」の危険を回避
  • 誤った仮定の回避

賛成留保は十分原因の因果関係を検証するためのツール。

  • レベル1の賛成留保
    • エンティティの存在に対する賛成留保
      • エンティティが本当に存在するかを疑う
    • 因果関係の存在に対する賛成留保
      • エンティティ同士をつなぐ因果関係を疑う
    • 明確性に対する賛成留保
      • エンティティが完結した文で表現されているかを確認する
      • 相手と意見が食い違う場合、まずは、自分が相手の言うことを十分理解していないと考える
      • 他人の仕事を検討するときには最初に使う
      • 自分が作図しているときは最後に使う
  • レベル2の賛成留保 (「エンティティの存在」ないし「因果関係の存在」に答えが得られていないときに使う)
    • 追加的原因の賛成留保
      • 結果を生じる別の原因の存在を疑う
    • 不十分原因の賛成留保
      • 複数原因の組み合わせの存在を疑う
    • 予測される結果の賛成留保
      • その原因があれば存在するはずの別の結果の存在を疑う
      • 原因の存在、結果の存在を吟味する

実際に使いたくなったときには書籍を参照すること。

参考ページ:

  • 60: 厳密な検証が必要なときとは
  • 61: レベル1の賛成留保
  • 64–65: 賛成留保の全体的な概念図 (カタログ)
  • 68: 「エンティティの存在に対する賛成留保」のやり方
  • 69: 「因果関係の存在に対する賛成留保」のやり方
  • 71: 「明確性に対する賛成留保」のやり方
  • 74: レベル2の賛成留保
  • 75: 「追加的原因の賛成留保」のやり方
  • 78: 「不十分原因の賛成留保」のやり方
  • 82: 「予測される結果の賛成留保」のやり方
  • 88–89: 自分の仕事を検証するフローチャートの指針
  • 90–91: 他人の作図を聞き、読み、検証するための指針のフローチャート

必要条件

  • 矢印の根本のエンティティ: 必要条件
  • 矢印の先のエンティティ: 目標
  • 矢印: 仮定 (必要条件を目標に結びつける)

必要条件のエンティティは完全な文でなくてよい。

まずコアの仮定を明らかにして、次にこれを代替する方法はないかを問い直す。 代替策を注入 (インジェクション) すれば、目標を達成するための必要条件は不要になる。

参考ページ:

  • 95: 必要条件のエンティティは完全な文でなくてよい
  • 97: 図の要素の意味の説明
  • 98: 必要条件の妥当性を検証するやり方
  • 100–101: 仮定を掘り起こすやり方
  • 102: 代替策を探すやり方

コアの問題は雲と現状問題構造ツリーとつなげたもので伝える

相手に問題を説明して共有するには、雲から逆に現状問題構造ツリーとつなげる。

  1. 雲を十分原因のツリーに転換する
    • 雲の先端の目標は十分原因ツリーのエントリーポイントになる
    • 雲の末端の必要条件 (代替策ではないほう) はコアの問題
  2. 十分原因のツリーを現状問題構造ツリーに重ね合わせる
    • 雲の末端の必要条件を現状問題構造ツリーのコアの問題と重ねる
  3. 重ね合わせたツリーを雲の目標 (エントリーポイント) から伝えていく

参考ページ:

  • 294: コアの問題を伝えるツリーを作成する手順