- URL: 頭のいい人の思考プロセス | リサ・J・シェインコフ著 田村優子訳 | 書籍|PHP研究所
- 著者: リサ・J・シェインコフ 著 / 田村優子 訳
- 公開日: 2004-06-21
いつ読むか?
- 思考プロセスのツールの適切な使い方を思い出したいとき
- 「十分原因」の思考パターンを正しく使いたいとき
- 「必要条件」の思考パターンを正しく使いたいとき
読書メモ
TOC 思考プロセスの原理とツール
思考プロセスの「基本的な質問」「ツール」「原理」の対応。
| 基本的な質問 | ツール | 原理 |
|---|---|---|
| 何を変えるのか? | 現状問題構造ツリー | 十分原因 |
| 〃 | 雲 | 必要条件 |
| 何に変えるのか? | 〃 | 〃 |
| 〃 | 未来問題構造ツリー | 十分原因 |
| 〃 | 前提条件ツリー | 必要条件 |
| どのように変化を起こすのか? | 〃 | 〃 |
| 〃 | 移行ツリー | 十分原因 |
十分原因と十分原因をつなげるところに必要条件が挟まっている。 厳密に検証が必要な仮説を立てるときは「十分原因」を使う。 目標達成のための行動 (解決策) を決めるときには「必要条件」を使う。
思考プロセスのツール間のつながりと使用順序。
- 現状問題構造ツリー
- UDE (好ましくない結果) を洗い出す
- ツリーを作成し、UDE と問題の関係を把握する
- コアの問題を見つける
- 雲
- コアの問題に関するコンフリクトを解消する「代替策」 (方針) を考える
- 相手と目的を共有する
- 最初の「目標」を選択する
- 未来問題構造ツリー
- 方針の「代替策」を一番下、最初の「目標」を一番上に設定する
- 現状問題構造ツリーのそれぞれの問題に解決策 (代替策) を注入して問題を解消する
- すべての問題を解消することで「目標」を達成できることをシミュレートする
- 前提条件ツリー
- 中間目標を定める
- 中間目標を達成するための必要条件を考える
- 必要条件の適切な代替策を探し、選択する
- 移行ツリー
- 現状に対し起こす行動 (インジェクション) を決める
- インジェクションの「結果」が次のステップの現状 (状態) になる
- それを繰り返して目標にたどり着くまでを予測する
参考ページ:
- 7: ツールのカタログ
- 272: 一般的なツールの使用順序
- 278: 思考プロセスの質問とツール
- 281: 思考プロセスのツールを使うプロセス (順序)
制約の種類と関係
制約には、物理的制約、方針の制約、パラダイムの制約がある。 方針やパラダイム (物事の見方や価値観、常識) が物理的制約を決める。 パラダイムが方針の制約を決める。 制約は、パラダイムの制約 → 方針の制約 → 物理的制約 に影響を与える。
参考ページ:
- 25: 物理的制約
- 28: TOC 継続的改善の5段階ステップの解説
- 29: 物理的制約、方針の制約、パラダイムの制約それぞれの作用を示す具体例
システムの成功を測る尺度
会社というシステムを考えた時の一般的な尺度:
- スループット
- インベントリ
- 業務費用
ソフトウェア開発というシステムに当てはめると…
- スループット => スループット (例. ベロシティ、一定期間のスパンでリリースする価値の量と大きさ)
- インベントリ => 前工程の成果物、学習コスト
- 業務費用 => メンバーの給料くらい?それほど種類はなさそう
それ以外の尺度が適切な可能性もある。 例えば、Four Keys (DORAメトリクス) など。
改善努力を始めるには、尺度についてオープンに話し合うところから始めるべきである。
参考ページ:
- 3: 「システム」と思考プロセスによる成功
- 23–24: スループット、インベントリ、業務費用の解説
- 38: 会社というシステムを考えた時の例
論理ツリーの図の要素の解説
- エントリーポイント: 矢印が入ってこないエンティティ
- 現状のシステムの中に存在するエンティティ (表現方法の例. 角が丸い四角形)
- まだ存在しないエンティティ (表現方法の例. 角が四角い四角形)
- = インジェクション
参考ページ: 54
十分原因
十分原因は、結果—原因—結果の思考パターンのこと。 これを図示したものが、論理ツリーとも呼ばれる図の一種となる。
思考プロセスでは、利用シーンに応じて十分原因を採用した次のツールを定義している。
- 現状問題構造ツリー
- 未来問題構造ツリー
- 移行ツリー
それ以外にも十分原因を自由に使って思考することができる。
参考ページ: 44
賛成留保
意見が合致する度合いが極めて低いか、または高いときには厳密に問い直す。
- 「集団思考」の危険を回避
- 誤った仮定の回避
賛成留保は十分原因の因果関係を検証するためのツール。
- レベル1の賛成留保
- エンティティの存在に対する賛成留保
- エンティティが本当に存在するかを疑う
- 因果関係の存在に対する賛成留保
- エンティティ同士をつなぐ因果関係を疑う
- 明確性に対する賛成留保
- エンティティが完結した文で表現されているかを確認する
- 相手と意見が食い違う場合、まずは、自分が相手の言うことを十分理解していないと考える
- 他人の仕事を検討するときには最初に使う
- 自分が作図しているときは最後に使う
- エンティティの存在に対する賛成留保
- レベル2の賛成留保 (「エンティティの存在」ないし「因果関係の存在」に答えが得られていないときに使う)
- 追加的原因の賛成留保
- 結果を生じる別の原因の存在を疑う
- 不十分原因の賛成留保
- 複数原因の組み合わせの存在を疑う
- 予測される結果の賛成留保
- その原因があれば存在するはずの別の結果の存在を疑う
- 原因の存在、結果の存在を吟味する
- 追加的原因の賛成留保
実際に使いたくなったときには書籍を参照すること。
参考ページ:
- 60: 厳密な検証が必要なときとは
- 61: レベル1の賛成留保
- 64–65: 賛成留保の全体的な概念図 (カタログ)
- 68: 「エンティティの存在に対する賛成留保」のやり方
- 69: 「因果関係の存在に対する賛成留保」のやり方
- 71: 「明確性に対する賛成留保」のやり方
- 74: レベル2の賛成留保
- 75: 「追加的原因の賛成留保」のやり方
- 78: 「不十分原因の賛成留保」のやり方
- 82: 「予測される結果の賛成留保」のやり方
- 88–89: 自分の仕事を検証するフローチャートの指針
- 90–91: 他人の作図を聞き、読み、検証するための指針のフローチャート
必要条件
- 矢印の根本のエンティティ: 必要条件
- 矢印の先のエンティティ: 目標
- 矢印: 仮定 (必要条件を目標に結びつける)
必要条件のエンティティは完全な文でなくてよい。
まずコアの仮定を明らかにして、次にこれを代替する方法はないかを問い直す。 代替策を注入 (インジェクション) すれば、目標を達成するための必要条件は不要になる。
参考ページ:
- 95: 必要条件のエンティティは完全な文でなくてよい
- 97: 図の要素の意味の説明
- 98: 必要条件の妥当性を検証するやり方
- 100–101: 仮定を掘り起こすやり方
- 102: 代替策を探すやり方
コアの問題は雲と現状問題構造ツリーとつなげたもので伝える
相手に問題を説明して共有するには、雲から逆に現状問題構造ツリーとつなげる。
- 雲を十分原因のツリーに転換する
- 雲の先端の目標は十分原因ツリーのエントリーポイントになる
- 雲の末端の必要条件 (代替策ではないほう) はコアの問題
- 十分原因のツリーを現状問題構造ツリーに重ね合わせる
- 雲の末端の必要条件を現状問題構造ツリーのコアの問題と重ねる
- 重ね合わせたツリーを雲の目標 (エントリーポイント) から伝えていく
参考ページ:
- 294: コアの問題を伝えるツリーを作成する手順