- URL: ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か
- 著者: エリヤフ・ゴールドラット 著 / 三本木亮 訳 / 稲垣公夫 解説
- 公開日: 2001-05-18
いつ読むか?
読書メモ
会社の指標
p. 85
純利益、投資収益率、キャッシュフロー、この三つを同時に増やすことによってお金を儲ける。
会社で使う指標。 会社はお金を儲けるために存在する。
工場の指標
p. 102
「指標は三つあって、それぞれ『スループット』、『在庫』、『業務費用』と呼ぶことにした。在庫とは完成品だけでなく、仕掛品や原材料、作りかけの部品なんかも含まれる。いわゆるインベントリーというやつだ」
工場で使う指標。 会社で使う指標は現場の毎日の仕事にはあまり役に立たない。 工場の作業ルールを可能にし、この指標を向上させればお金を儲けることに直接つながることになる。
「スループットとは、販売を通じてお金を作り出す割合のことだ」
ソフトウェア開発においては、ユーザーの価値の単位 (ユーザーストーリーなど) でリリースすること。 ユーザーにとって価値の高いものを、早くたくさんリリースすることを目指す。 (注意: ザ・ゴールでは「価値の高いものを作る」ことについては取り扱っていない)
p. 103
「次の指標は、在庫だ。在庫とは、販売しようとする物を購入するために投資したすべてのお金のことだ」
ソフトウェア開発においては、リリースできていないプログラム (部品) のこと。 それ単体ではユーザーの価値にならない部品で、必要な部品が全部揃っていない状態。 在庫が増えることには次のような問題がある。
- 部品を管理するのにコストがかかる
- コミュニケーション
- 進捗管理
- 優先度の調整
- コンフリクトの可能性が上がる
「業務費用だ。業務費用とは、在庫をスループットに変えるために費やすお金のことだ」
在庫に投資した労働は業務費用に含めない。
ソフトウェア開発においては、生産性のこと。 リリースできるものを作り出すまでにかかる時間。 できるだけ少ない時間でできるようにする。
工場の指標はお金に換算できる
p. 123
「スループットは、入ってくるお金。在庫は、現在製造プロセスの中に溜まっているお金。業務費用は、スループットを実現するために支払わなければいけないお金。入っていくるお金、中に溜まっているお金、それから出ていくお金、それぞれに指標があるわけですか」
ソフトウェア開発においては、
- スループット: リリースした機能の量 (ストーリー・ポイント)
- 在庫: リリースできない状態の完成した部品に使った工数
- 業務費用: リリースするまでに使った工数
p. 126
「失ったお金はすべて業務費用で、売ることのできる投資はすべて在庫になる」
ソフトウェア開発においては、
- 失ったお金
- 工数
- ソフトウェアライセンス
- 売ることのできる投資
- ソフトウェア部品
- 研究開発成果
生産の流れをボトルネックと非ボトルネックで表現する
p. 343
「X と Y を使って、四つの組み合わせを考えてみたわけだ。もちろん、X と Y の組み合わせはまだほかにもたくさん考えられるが、この四つも組み合わせが基本で、これだけで十分だ。
(1) Y => X // Y を100%稼働させると X の前に在庫ができる
(2) X => Y // X を100%稼働させても Y は100%稼働できない。余剰時間が生まれる。
(3) Y => A // Y を100%稼働させると組み立て前に在庫ができる
X => S // 組み立ては X の生産能力に制限される
S
E
M
B
L
Y
(4) Y => PRODUCT A // Y が需要を超える生産をすると完成品の在庫ができる
X => PRODUCT B // X の生産能力は需要を満たせていないのでボトルネック
----------------
凡例:
X: ボトルネック
Y: 非ボトルネック
生産工程における時間の分類
p. 377
つまり資材が工場に入ったときから完成品の一部として工場から出て行くまでの時間のことだが、そのトータル時間を四つの段階に分けることができるというのだ。 まずはセットアップ、つまり段取りで、機械や装置などのリソースの準備を行っている間だ。 次はプロセスタイム、つまり処理時間だ。機械や装置などのリソースを使って部品への作業を行う時間で、これを経て部品はその形を変え、付加価値が高まる。 三つ目はキュータイム、つまり部品の処理に必要な機械や装置などのリソースがほかの部品の処理を行っている間、その機械の前で列を作って待っている時間のことだ。 四つ目はウエイトタイム。三つ目のキュータイムと同じ待ち時間なのだが、こちらはリソースを待っているのではなく、完成品に組み立てるのに必要なほかの部品が届けられるのを待っている時間だ。
- セットアップ: 機械や装置などのリソースの準備を行っている時間
- プロセスタイム: 機械や装置などのリソースを使って部品の作業をする時間
- キュータイム: 機械や装置などのリソースを使うために、他の部品の処理が終わるのを待っている時間
- ウェイトタイム: 処理に必要な他の部品が到着するのを待っている時間
ソフトウェア開発においては、
- セットアップ: タスクを分担する前にすり合わせる時間
- => ボトルネックに合わせて計画する
- プロセスタイム: 担当したタスクを処理する時間
- => ボトルネックの処理能力を向上するための施策を打つ
- => 担当者を増やす
- キュータイム: 担当者にあるタスクをやってもらうために、他のタスクを完了させるのを待っている時間
- => ボトルネックに合わせて計画する
- ウェイトタイム: タスク着手に必要な情報や他の部品を待っている時間
- => ボトルネックの着手に確実に間に合わせる
『ソクラテス』流手法で習慣を取り払い常識的にやる
p. 435
だけど、染み込んだ習慣ってものは怖いね。自分たちで考えることもせず、当たり前だと思ってやっている。だから答えを教えてはいけない、考えるためのヒントが必要なんだ。自分で試してみないといけないからね
p. 436
「『理解しない』場合は、べつにいいんだ。誰に危害を加えるわけでもないし、ただ無視されるだけだから。でも『理解する』ほうは厄介だ。理解してくれるかもしれないけど、自分が批判されているととられてしまうんだ。いや、それより悪いかもしれない」
具体的な手段は「 お題設計アプローチ 」がよさそうか?
継続的改善『プロセス』
p. 481
私たちがすべきことは、継続的改善というプロセスをこの会社でスタートさせることです
p. 483
「結局、どう測るかだと思います」
p. 484
『スループット(THROUGHPUT)』『在庫(INVENTORY)』『業務費用(OPERATINGEXPENSE)』
評価基準の優先順位:
- ❌️ 過去: コスト => スループット => 在庫 (加えて、在庫を資産と考えていた)
- ✅️ 現在: スループット => 在庫 => 経費
p. 488
「一番弱い個所を見つけることだ。ボトルネックを探すことだよ」
p. 489
- [ステップ1] ボトルネックを見つける。
- [ステップ2] ボトルネックをどう活用するか決める。
- [ステップ3] 他のすべてをステップ2の決定に従わせる。
- [ステップ4] ボトルネックの能力を高める。
- [ステップ5] ステップ4でボトルネックが解消したら、[ステップ1]に戻る。
p. 499
- [ステップ1] 制約条件を「見つける」。
- [ステップ2] 制約条件をどう「活用する」か決める。
- [ステップ3] 他のすべてを[ステップ2]の決定に「従わせる」。
- [ステップ4] 制約条件の能力を高める。
- [ステップ5]「警告!!」ここまでのステップでボトルネックが解消したら、[ステップ1]に戻る。ただし、「惰性」を原因とする制約条件を発生させてはならない。
p. 549
「私たちが探し求めているものは、いったい何なんだ。三つの簡単な質問に答えることのできる能力じゃないのか。『何を変える』、『何に変える』、それから『どうやって変える』かだ。マネジャーとして求められる、最も基本的な能力を探し求めているんだ。考えてもみてくれ。この三つの質問に答えられないような人間に、マネジャーと呼ばれる資格があると思うかね」
[ステップ5]の「惰性」を変えるためにマネージャーに必要な能力。
- 『何を変える』
- 『何に変える』
- 『どうやって変える』